効果的にグローバル化した日本企業の習慣 #1:

「グローカル」マーケットリーダーを目指す

 

グローバル市場へ焦点を絞る

ソニー創業者である盛田昭夫氏が最初に明言したように、日本企業にとって最優先かつ最重要な「グローバル化」の習慣は、「グローカルになる」戦略で、グローバルを考え、ローカルに行動することだ。主にグローバルターゲットとなる各市場において有利な成長を遂げるためには、その市場に存在する人々と真の意味で関わり、言語、地質的、文化的バリアを克服し、その市場におけるローカルリーダーを雇用し育てていく必要がある。

もはや日本の組織にとって、国内の顧客第一に商品やサービスを開発し、その後世界的に流通するものにするという方法は十分ではない。もし、企業がディーラーや輸入会社経由で、あるいは後から思いついたようにオンライン経由で、ホームページや商品の使い方をただ翻訳し必要最小限の市場のニーズに応じるだけのために世界的に商品を売るというのならば、その地域の競合相手を打ち負かすことは到底ありえないだろう。グローバル販売の成長を制限し、結果的には、全ての主要グローバル市場で、その活動規模に見合った経済を享受する大手グローバル競合相手に対して国内市場のシェアを譲ってしまうリスクがある。更に言えば、乗っ取りを招待するようなものだろう。

もし、「グローバルな成功」が世界中のマーケットシェアを有力に勝ち取ることを意味するのならば、「グローカルになる」ということは、競合相手よりずっと効果的に需要と利潤を最大化する形で、顧客と直にコミュニケーションを取りながらふさわしい商品やサービスを重要な各市場に提供することによって、グローバルな成功を成し遂げるということだ。グローバルな成功には、地域のチームを雇用すること、または、少なくとも各市場における地域パートナーを親密かつ長期的にサポートすることが必要とされる。それは、勝利に導くチームワークを作り上げるため、文化的なまたはその他の障害を克服することを意味する。

そして、残りの6つの習慣とは、日本組織それぞれが持つ特別な強みを独自に組み合わせ活用しながら、この「グローカル」習慣の達成をサポートする手法である。

各重要なグローバル地域を導いていくということは、各市場に対して最も効果的なマーケティング、販売、サービスへと調整していくということだ。そのため全体としては、グローバル市場一つ当たりの全売上率は、各市場の規模に匹敵する。この定義に沿えば、ある所定の産業に対する日本市場が、グローバル市場の10~20%だとするならば、日本国内市場における全グローバル売上率もまた、約10~20%のみとなるはずだ。ところが実際は、文化的、流通的、革新的理由から、多くのグローバル企業の売り上げは、自国または地元でのほうがずっと高い。しかし、ほぼ間違いなく、多くの日本企業は、伝統的に、外国人競合相手ではなく日本人顧客とグローバル取引をしており、グローバルな競合相手よりはるかにずっと国内顧客に依存している(マッケンジー2006年調査)。

 

ローカル市場を満足させる

世界中どこでも市場はそれぞれ独自の習わしを持ち合わせており、どのタイプの商品やサービスがベストセラーになるか、またはその売り方に影響を与える。例えば、P&Gのジレット消費者マーケティング・イノベーションチームは、地元のニーズを学ぶためにインド人と住み、多くのインド人が水を使わずひげを剃りあげるという事実に驚いた。ジレットが自動潤滑カミソリをリリースすると、それはインド市場でベストセラーとなった。トヨタのレクサスは、北アメリカ市場では「手の届く贅沢な車」という市場の隙間を創出し、たちまち競合相手を抜き首位に立った。

B2B販売スタイルもまた、市場により異なる― 日本企業がリスクを最小限に留めるために、多くの情報や文書を時間をかけて集団で収集するのを好むことに対し、西洋企業の多くが、翌数年を見越した独自の戦略的価値やROI(投資利益率)を説明し、迅速な交渉で終えるペーパーレスのプレゼンを好むだろう。逆に、インド人や中国人の上司は、最低価格のソリューションや彼ら独自の短期状況下で利益を生み出せる迅速な行動の仕方について知ることを好むかもしれない。

もし、「グローカル」が各ローカル市場に対する主な調整役として、最適なバランスで効率よくグローバル標準化をすることを意味するのならば、日本企業は、システムをグローバル的に理解しかつきちんと使いこなすために、優れた情報を共有し、世界的な目で地域を見るブランディングの専門知識を持つ必要がある。そのようなシステムには、クラウドまたは販売管理、CSR、コンテンツマーケティング、マーケティング・オートメーション、独自の価値を持つ商品やサービスに対する高い需要を決定づけるその他の技術に対する企業ソリューションも含まれるだろう。

ローカル情報共有のサポート

各自の仕事状況、国、タイムゾーン、部署を超えて、効果的に情報やアイデア共有することをサポートするITシステムは、誰もがその地域では何が必要とされ、何が世界的に提供できるのかを理解するうえで、重要なものである。本社へタイムリーに明確な情報共有を送り返す見返りとして、各ローカル市場のチームは、販売、マーケティング、イノベーションに対して柔軟な対応ができる各自の予算をもらうことができるだろう。成功したアクティビティは他の地域とベストプラクティスとして共有することも可能だ。もしこうしたことが本社に依存することなく起きるのであれば、良き共有の見返りとして、地域スタッフは、グローバルリーダーになるチャンスをつかむことができるだろうし、(国内に的を絞るのではなく)世界に的を絞ったマーケティングは、より迅速にそしてよりパワフルに広がるだろう。

また、話合いは、より「ソクラテス型」をとる必要がある―より率直に、より迅速に、上部マネージャー達の思考に対して新しいアイデアや挑戦を投げかけることができるようにする。日本人と外国人受講者混合のグループに、もっとソクラテス型の会議に変えたいか尋ねると、彼らは喜んで「はい」と答えるが、実際のところ、こうした変化をどのように成し遂げればいいのか分かっていない。様々な会議に対応する明確なテンプレートを使うことで会議の流れや役割を変えれば、ソクラテス型となる手助けとなるだろう。

 

ローカルが本社にどのように影響を与えるかを説明する

最終的には、職務上の枠や市場間の枠を超えたコミュニケーションは、日本の「アメーバ(チームベースの働き方)」、アメーバがよりグローバルな人々の自己責任体制(LGSはこれを「テトリス」と呼んでいる)といかに結び付くか、または、職務や地域、本社間で、より優れたホウレンソウの形で双方のスタイルを混ぜ合わせたもの-こうしたものの共有理解を構築することで強化していかなければならい。コミュニケーションをサポートするものとして、人間関係もまた改善していく必要がある。リスクを負う者を支えるためのより迅速なリスク負担の計算、成功だけでなく失敗にも由来する利点を生かす等、ビジネスもスピードアップしていかねばならない。明らかに、こうした全ての変化は微妙に繋がっており、「グローカル」マーケティングの動向は、同時にいくつかのコミュニケーションを改善するイニシアチブとして相乗作用のある導入をもたらし、計画から会議、報告、システムのサポートまで全てに影響を与えるだろう。

要約すると、「グローカルになる」ということは、広範囲の努力だ。戦略、マーケティング、情報共有システムを結合し、地域の才能を育てる。その見返りは、世界にまたがり成長する機会を持つだけでなく、組織自体も存続していくことを確実なものとする、まさに莫大なものだ。

 

 

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